光と眠りとの関係~睡眠障害を克服するために~

長かった暑い暑い夏が終わり、心待ちにしていた秋がやって来たと思えば、来月はもう師走。季節は駆け足で移り変わっていきます。暑すぎる夏と寒すぎる冬。いつまでも台風に見舞われ湿度が高かった秋。異常気象には年々拍車がかかっています。これでは、人間の体調も季節の変化について行くのが大変ですね。そのひとつの現れとして、この時期、睡眠障害をおぼえる人が多いようです。
朝、すっきりと起きれ寝ない。寝ても寝ても眠い。日中だるさがつきまとう。夜、布団に入っても寝つきが悪い・・・など。

その原因のひとつに「太陽光の減少」があるそうです。夏~秋に季節が移り、人間が物理的に浴びる太陽光線の量が急激に減少することで、体内時計が狂いを生じて、睡眠に影響をきたすということです。

体内時計を調整して、快眠を得るにはどうすれば、いいか・・・?

朝起きたら、太陽光を浴びる ⇒ セロトニンの分泌を増やす
朝はなるべく早く(6:00AM頃が理想)起きて、朝日を浴びましょう。朝日には体内時計の狂いを元に正す働きがあり、私たちのバッテリーを充電することにもなります。外に出なくても、窓があれば室内にいてもオッケーです。東向きの窓があれば一番望ましいですが、どんな向きの窓でも、朝起きたらカーテンを開けて光を受け取ってください。お勧めは寝室のカーテンはレースだけにすること。目覚めの前から太陽光を浴びていれば自然に目覚めることができます。

雨や曇りの日でも、朝になれば地球上には太陽光が降り注いでいますので、同じように、起きたらカーテンを開けましょう。さらに窓を開けて換気してお部屋の空気を入れ替えると、リフレッシュできます。これは春夏秋冬、一年間を通じて行っていただきたい習慣です。
早起きが無理なら、せめて9:00AM頃までの朝日を浴びることの出来る生活に切り替えましょう。
 

夜は柔らかめの光の下で過ごす ⇒ メラトニンの分泌を増やす
自然な眠りへと導かれるには、寝る前に過ごすお部屋の照明は青い光の蛍光灯ではなく、オレンジ色の白熱電球か白熱球色の蛍光灯がお勧めです。夜の9:00以降、就寝までの時間は、寝る準備のための時間。なるべく柔らかい灯りお部屋で過ごしましょう。就寝時にはテレビやパソコンのモニターはもちろんの事、室内の照明は完全に消してお休みになるのが理想。
パソコンやスマートフォンのディスプレイはブルーライトを多く発しており、「睡眠ホルモン」メラトニンの分泌の妨げとなってしまいます。明るいディスプレイやモニターを就寝の直前まで見ていると睡眠障害を起こしがちです。また、就寝時間が近づいたら、コンビニやスーパーマーケットなどの強い照明のあるところにも行かない方がいいでしょう。

理想的には6:00AM頃に起きて、11:00PM頃に寝るのがベストとされています。
太陽が昇って明るくなったら、人体もリフレッシュして活気づくし、日没を迎えて暗くなったら、人体もリラックスして沈静化するものです。 地球と同じリズムで人間の体内時計も時を刻むことができれば、心身の健康状態が保たれ、さまざまな葛藤や不具合を覚えることのない、スムーズな状態で過ごす事ができます。

⇒関連コラム「秋だからこそ、"太陽"のパワーを取り入れよう!気のめいりやストレスに効果的です」はコチラから

 メラトニン ・ セロトニン ・ トリプトファンの話

メラトニン
メラトニンは暗くなるとともに分泌量が増加するホルモンで、別名「睡眠ホルモン」と呼ばれるほど、睡眠と深いかかわりを持っています。ぐっすりと深い睡眠をとり、疲労を回復するには、メラトニンの分泌が不可欠です。体内時計が正常に作動していれば、メラトニンの分泌は夜9:00頃から増え始め、夜11:00頃には眠気を感じるレベルに達します。だからこそ、この時間帯はなるべく柔らかい光の元で過ごしたいものです。
メラトニンの大敵は強い光(明かり)です。自然のリズムにそぐわない不自然な光を浴びると、メラトニンの分泌量は抑制され、睡眠に異常をきたすことになってしまいます。強い灯りやブルーライトはメラトニンを抑制してしまい、体内時計(生体リズム)に悪影響を与えてしまいます。豆電球程度の弱い照明でも、メラトニンの分泌に影響するそうなので、就寝時には照明を消すことを習慣化するのが良いでしょう。テレビやモニターをつけっぱなしで寝るのはもっての外とも言えます。
メラトニンには呼吸や血圧を安定させ、副交感神経を優位にする働きがあります。また、体内の熱を放出する働きもあり、その結果、肉体内部の体温が下がって眠気を誘います。

セロトニン
メラトニンを増やすもう一つの鍵は「セロトニン」にあります。セロトニンはメラトニンの材料となる物質で、脳内の神経伝達物質のひとつです。夜になると、セロトニンは「睡眠ホルモン」であるメラトニンに変わり、睡眠をサポートします。セロトニンが増えれば、メラトニンも増えるということになります。セロトニンは日光浴によって活性化されます。朝になって太陽を浴びることによって、セロトニンの分泌が促進され、人は活動するのに適した状態となります。軽い運動や散歩などの一定のリズム運動や首のストレッチもセロトニンの分泌に効果的です。
セロトニンが適切に分泌されていると、人は心地よさや満足感を得ることができます。反対に不足していると、憂鬱感やうつ症状の原因にもつながります。うつ症状の方に、最初に処方するべきものは「太陽光」であるとも言えるでしょう。光不足が、うつ病や引きこもりの根本原因として考えられています。光が不足すると、心の闇やオーラの闇が多くなってしまいます。セロトニンは、日光浴と軽い運動、そして規則正しい生活リズムで活性化されます。

トリプトファン
さらに、セロトニンの材料になるのは、必須アミノ酸「トリプトファン」です。トリプトファンは主に食品の蛋白質に含まれており、体内に吸収されると脳に運ばれ、セロトニンに変化します。トリプトファンの含有量が多いのは肉類や乳製品ですが、白米やパンにも多く含まれています。朝、ご飯(白米)を食べると脳が活性して頭の働きが良くなると言われるのはこのためです。
できれば起床から1時間以内に朝食を摂り、一日三食しっかりと食べて、トリプトファンを摂るように心がけたいものです。
「メラトニン」と「セロトニン」と「トリプトファン」は三位一体。お互いに密接なかかわりを持ちながら、私たちの睡眠に大きな役割を果たしています。

体内時計を調整し快眠を得るには、人体のリズムを地球リズムと合わせることが大切です。

夜寝る時間が遅い、朝起きる時間も遅い、夜間になってもパソコンやゲーム、スマートフォンのモニターを見続けている、運動不足、目の疲れや肩や首のコリ、不規則な生活、不規則な食生活などが睡眠障害を誘発します。
良き睡眠は脳の休息を得るための大切な行為です。自らの体や心の状態は自らに責任があります。心身の疲労回復のためにも、早寝、早起きに切り替え、規則正しい食生活や光や明かりとのかかわり方などを見直してみてはいかがでしょうか。

⇒「安眠のためのパワーストーン」記事(当店取材協力)はコチラから

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